霧島温泉 優湯庵(旧ブログ)

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●日当山侏儒どん物語 (その1)

日当山侏儒どん

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  日当山侏儒どん物語 その1
  (ひなたやましゅじゅどん)
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  《茶の実》 ★日当山はお茶の産地

ある日のこと、お城に参上した侏儒どんに、
殿様はさも待ちかねていたように語りはじめました。

「藩内にお茶の栽培を進めようと思っている。
日当山はお茶の木が多いと聞くが、茶の実を集めてくれぬか」
 
この時期は茶の実のなる頃ではなく、しかも農家は忙しいときで、
たとえあったとしても、茶の実をひろっている暇などなく、
さすがの侏儒どんもこまりました。

「どうじゃ侏儒、しかと頼んだぞ」
と、殿様は会心の笑みを浮かべながら申しつけました。

しかし、そこは侏儒どん、涼しい顔で
「はい、殿様、茶の実をさがしてお届けいたしましょう」
と日当山に引き上げたのでした。

さて、それから二、三日して侏儒どんは、
日当山でももっとも年寄りのおばあさんを探し出し、
お城へ向かいました。
 
お殿様の前に出ると侏儒どんはおばあさんと並んで頭をさげました。

「恐れながら殿の仰せのとおり茶のみを持参いたしました」
「うむ、ごくろうであった。してどこに持参したのじゃ」
「ここに控えております」
「なにっ、それはただのばあさんじゃないか」
「はい、これが日当山で一番の茶飲み(茶の実)でございます」
 
これには殿様も
「うむ、茶飲みか、侏儒、うまく逃げたな」
と言って茶飲みばあさんをながめて苦笑いするしかありませんでした。
 
しかし殿様もこれならどうだという顔で
「侏儒、そちの茶のみは生えぬではないか、
わしは生えぬ茶の実をたのんだおぼえはないぞ」

「それでは、おばあさん、この座敷を中を這い回ってくだされ」
すると、おばあさんは
「ウンダモシタン(まあ、どうしよう)、ウンダモシタン」
といいながらお座敷中をぐるぐると這い回るのでした。

殿様は困った顔色で
「ばあさん、もうよい、もうよい」と言われました。
 
侏儒どんは、しずかに両手をついて
殿、どんなに立派な産業を興すにしても、
農民や商人の立場や時期を考えなければ、
ただ庶民を苦しめるだけでございます」

「うむ」

「世のご政道には民心をイヤイヤ従わせる道と、
快く従わせる道の二つがあります」

「うむ」

「ところが、殿のまわりには、殿のご機嫌ばかりを先に考えて、
庶民の実情にはまるで茶飲み話くらいに軽く考える者がおりますから、
困ったものです」

「それはよくわかっていたつもりだが侏儒よ、
こりゃわしが気がつかなかった。許せ、許せ」

「イヤイヤおそれおおいことで・・・
殿様にズバリものを申し上げるにはやはりのどがかわきます」

「いや、そちよりも茶飲みばあさんに早く水を取らせよ」

「殿さま、茶飲みに水はかわいそうでございます」

「あの茶のみは生えると言うたではないか。早く水をやれ、水をやれ、」

「あっ、これは一本とられましたな!」

「ハッハッハッ・・」
「ハッハッハッ・・・」


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「日当山侏儒どん」とは
本名を徳田大兵衛(とくだたへい)といい
薩摩藩第十八代藩主島津家久公に仕え、日当山の地頭も務めました。

侏儒とは、小人を意味する言葉で侏儒どんは背丈が
九十センチしかなかったといわれています。
 
しかし、彼はすこぶるとんちにたけた人で、
二百数十年を経た今日でも彼のとんち話と人生訓は、
私たちの心に訴えてくるものがあります。
 
現在、日当山温泉公園を見下ろす位置に侏儒どんの像が、
また公園の南入り口に侏儒どんの碑があります。

当ホテルの目の前に架かる橋の名は「侏儒どん橋」、
町の通りの名は「侏儒どん通り」など、
今なお侏儒どんは人々に愛され、
親しまれている証拠ではないでしょうか。

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        かの西郷隆盛も「これぞ天下の名泉」
                          と言った程の名湯
 
        貸切風呂無料とお部屋食が楽しめる温泉宿
        鹿児島県 霧島 美人の湯 スパホテルYou湯

        URL http://www.you-yu.com/

        
        住 所 鹿児島県霧島市隼人町姫城1-177
        お電話 0995−42−0550
        ※溝辺鹿児島空港ICよりお車で15分

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